ナーゲルスマンがピッチに送り出す選手たちは、みな迷いなく気持ちの良いプレイをみせる。この新戦力3名のなかから、1名でも二桁得点できれば今シーズンも面白いことになる。 ラルフ・ラングニック(Ralf Rangnick、1958年6月29日 - )は、ドイツ出身の元サッカー選手、同指導者、スポーツディレクター。近年は、レッドブル・グループのサッカー開発部門責任者を務めている。 ライプツィヒの基本戦術と狙い 現在ブンデスリーガで首位を走るライプツィヒ。2年目のユリアン・ナーゲルスマン監督が率いるハイ・エナジーチームの戦術と狙いについてまずは見ていきます。 この試合、ライプツィヒは3-1-4-2システムを選択。 今回分析するのはユリアン・ナーゲルスマン率いるライプツィヒです。16-17シーズン途中に降格圏を彷徨うホッフェンハイムの救世主としてたった28歳で突如ブンデスリーガに現れた新鋭監督。3シーズンホッフェンハイムを率いた後、今季からライプツィヒの監督に就任し、ジョゼ・モウリーニョ率いるトッテナムを粉砕したことで注目度は高まる一方であろうユリアン・ナーゲルスマン。CLベスト8アトレティコマドリー戦を前に、ナーゲルスマン政権初年度、19-20シーズンのライプツィヒの戦術をまとめておこうと思います。, 今シーズン、ライプツィヒは相手に応じて柔軟にフォーメーションを使い分けながら戦っていました。その中でも頻繁にナーゲルスマン監督が使っていたのは3-3-2-2と4-2-2-2。, 3-3-2-2の場合の基本的な人選は上図の通り(シーズン終盤戦を中心としたものになっています)。GKはグラーチ。3CBは真ん中にウパメカノがいて、その脇にはCBに怪我人が続出したことでシーズン中にSBからコンバートしたクロスターマンとハルステンベルク。WBは右にムキエレ、左は冬にマンチェスターシティからレンタルで獲得したアンヘリーニョ。底にライマー、右にザビッツァー、左にフォルスベリの3センター。最前線はシックとヴェルナー。, こちらが4-2-2-2の場合(同じくシーズン終盤のもの)。3-3-2-2の場合とあまり人選は変わっていませんが、SHにはンクンク、ダニオルモが起用される機会が多かったです。, また、どちらのシステムであっても、攻撃時にヴェルナーは少し低めの位置でトップ下のようにプレーします。, まずは、攻撃から分析していきます。大枠の説明は先にしますが、具体的な部分は架空の相手を設定するよりも、一つの試合を例にとった方が良いと考えたので、ブンデス24節vsレバークーゼンを題材にして分析します。, 上図は、ライプツィヒの攻撃の大枠を示したものです。これは相手が変わっても変化しない不変的なもので、どの試合でもこの大枠に沿って攻撃していきます。ビルドアップでは、基本的にボールポゼッションを大事にしながら(ハイプレスを受けた状態でも無理して繋ぐ、というほどではありません)サイドからビルドアップを行い、2ライン間へ縦パスを送り込むことを狙います。そして、2ライン間に縦パスが入った後に狙うのは必ず「背後」です。ボールを持っていない選手は背後のスペースへ走り出し、ボール保持者は中央、ボールサイドの大外、逆サイドの大外、手前の4つから相手を見て適切な場所を選択。中でも、逆サイドの大外は強く意識づけされています。2ライン間に侵入すれば必ず相手は中へ絞るので、一番スペースが大きく空くのは逆サイドです。そのため一気に前進することが可能で、フィニッシュに近づくからでしょう。ではなぜ、一度2ライン間へ侵入することが原則となっているのでしょうか?それは、「2ライン間に侵入できれば進行可能なプレーの方向が増える」「全員のスタートラインが揃う」ためだと考えています。前述したように2ライン間に侵入できれば中央から行くこともサイドから行くことも可能ですし、前方のスペースを使うことが難しいのなら手前を経由することもできる。そして、2ライン間へ侵入することを原則にしていることによって、「ここを通ったら崩しのスイッチON」という場所が「2ライン間」に設定されているのです。そのため、2ライン間にボールが入れば全員のスタートラインが揃い(全員が今からスタート!となる)、プレーの再現性が高まります。仮にスタートラインが揃っておらず、選手が人によってバラバラな基準を持っていれば、複数の選手の基準が揃うことは難しく、「今、どういった状況で、何をするべきか」が揃えられません。それだと、プレースピードが上がらずミスも増え、組織された守備を崩すのはとても難しくなると思います。スタートラインを揃えるための道具が、ゲームモデルに基づいたプレー原則だと僕は考えています。ライプツィヒにとって2ライン間は「無形の司令塔」と言うことも可能です。, この試合、ナーゲルスマン監督は3-3-2-2を採用。GKグラーチ、3CBは右からクロスターマン、ウパメカノ、ハルステンベルク。右WBにムキエレ、左WBにアンヘリーニョ。アンカーはライマーが出場停止でしたのでザビッツァー。その前にフォルスベリとンクンク。2トップはシックとヴェルナー。一方、相手のレバークーゼンは3-4-2-1。3CBター、Sベンダー、タプソバ。右WBアミリ、左WBウェンデル。ボランチにデミルバイ、パラシオス。最前線はアラリオ、それより少し低い位置にベイリーとハーベルツ。ライプツィヒの攻撃時は、, この試合、ライプツィヒは他の試合よりも徹底して「逆サイドの大外」を狙っており、そこを使う割合が高かったです。なぜなら、レバークーゼンは大胆にボールサイドへ人を集めるチームだったからです。図に示したようにレバークーゼンは積極的にプレッシングをかけ、ボールサイドに人数をかけて相手を掴みに来ます。そのため、逆サイドはガラ空き。この弱点を利用するために、ライプツィヒは3-3-2-2システムを採用して前線に6人を配置し、逆サイドのWB(図では11番)に対して2vs1の数的優位(図:18番,3番vs11番)を作り出しました。狙い所である逆サイドへ持っていくためには、前述したように一度2ライン間を経由する必要があります。そのために重要になるコンセプトが「サイドダイヤモンド」です。一例がこちら↓, ライプツィヒは、2ライン間へ侵入するために「中央から人を持ってくる」ことによって「サイドダイヤモンド」を形成(トライアングル+トライアングル)します。例えば右サイドなら、クロスターマン(16)、ムキエレ(22)、フォルスベリ(10)の関係で解決しようとするのではありません。中央から2トップ(21,11)の一角を持ってくることでダイヤモンドを形成し、幅と奥行きを獲得します。その上でボール保持者は相手の反応を見て、最良の選択肢を選んでプレー。, シック(21)を持ってくるなら、ロングボールや相手を背負った状態での縦パスを利用することができます。, シックの相方であるヴェルナー(11)の場合は、相手を背負うのではなくフリーマンとして引いてきて顔を出します。このように、サイドからのビルドアップで2トップをうまく活用しながら2ライン間へ侵入。そして、ターンや落としでボール保持者を前向きな状態にし、逆サイドへ展開。相手WBが攻撃的な選手だったので背後への対応が甘いシーンもあり、前後半共に狙い通り逆サイドの数的優位を活かして攻撃してチャンスを作れていました。ただ、忘れてはいけないのは29分の失点シーンです。右からビルドアップしてウパメカノから左ハーフスペースのンクンクへ縦パスが入り、ンクンクが大外のアンヘリーニョへ展開しようとします。しかし、そのパスを相手右WBアミリに読まれてインターセプトされ、そこからカウンターを受けて失点。2ライン間へ侵入してから逆サイドの大外へ展開する、という狙い通りのプレーでしたが、何度も同じようなプレーを再現性高く行ったが故にアミリは読むことができたはずです。再現性の高さのデメリットが現れた失点でした。, 前章では攻撃のコンセプトについて書いたので、この章では攻→守&攻撃の弱点について書きます。相手にボールを奪われ、攻撃から守備に局面が切り替わると、ライプツィヒはゲーゲンプレスを実行します。ボールポゼッションを大事にして選手同士が近い距離感を保って攻撃しているので、奪われた瞬間、ボールの近くには多くの選手がおり、ゲーゲンプレスが実行しやすい状態です。第4章以降で守備については詳しく言及しますが、セットした状態の守備と同じで、ゲーゲンプレスも相手をサイドに閉じ込めることを狙います。後ろに残っているCBは相手FWをマンツー気味で捕まえ、ACも必要に応じて躊躇せずにサイドへ出ていき、相手を圧迫して即座にボールを奪い返そうとします。, 続いて攻撃の弱点について。チームの攻撃のメインとなっている「ボールポゼッションを大事にしながら相手を見て攻撃する」というアイデアはこの一年で深く浸透し、全体が頭の中に同じ絵を描いてプレーすることもできています。得点数はブンデスリーガの中でバイエルン、ドルトムントに次ぐ三番目。一時期は毎試合三点以上を取るほどの爆発力がありました。しかし、メイン以外のアイデアを持っていない。これが最大の弱点(19-20シーズンの話なので移籍関係の話は置いておきます)だと考えています。前述のようにメインのアイデアは高いレベルでピッチ上に表現されていますが、バイエルンのように飛び抜けた個人を何人も持っているわけではないので、相手に上手く対策されてしまうと攻めあぐねてしまいます。事実、前半戦よりも相手の対策が機能する試合が増えた後半戦は引き分けが増えました(前半戦17試合:11勝2敗4分=勝ち点37、後半戦17試合:7勝2敗8分=勝ち点29)。試合中に修正する能力がとても高いナーゲルスマン監督ですから、攻めあぐねた状況の打開策がなく、無策なわけではありません。しかし、メインのアイデアしか持っていないため劇的にプレーが変化することはなく、状況を打開しきれない試合も多くありました(もちろん、状況を大きく打開した試合もあります)。ただ、これには理由があるはずで、今季(19-20)は根気強くメインのアイデアを熟成させることを優先していたのかもしれません。昨季(18-19)までとは大きく違うアイデアを実践しているため、試合中に全く違うアイデアに転換すると選手の中に迷いや混乱が生じると考え、複数のアイデアの使い分けはリスクと判断した可能性もあります。そのため、メインのアイデアしか持っていなかったのは「あえてメインのアイデアだけで戦った」という見方ができます。今季はナーゲルスマン監督就任一年目であり、クラブとも長期的なビジョンを持って戦うことで合意しているようなので、長い目で見た結果の決断だったのだと思います。, 続いては守備の分析。守備も、攻撃と同じようにブンデス24節vsレバークーゼンを例にとって解説しますが、まずは大枠の話から。ライプツィヒは、一時的に敵陣の高い位置からプレッシングを行うことはあるものの、基本的にセンターサークルの少し前にFWラインを設置してブロックを組みます。そして、まずは中央をしっかり封鎖して相手をサイドへ誘導。サイドに全体を圧縮させてパスコースを消し、ボールを奪ってカウンターへ。昨シーズン(18-19シーズン)までのこのチームのプレースタイルを考えれば、ハイプレッシングを行うことも十分可能です。しかし、ナーゲルスマン監督はハイプレッシングを行うことによって生じるリスクを嫌って頻度の高いハイプレッシングは行っていません。ホッフェンハイム時代からハイプレッシングはあまり行わない守備を実践していたナーゲルスマン監督ですので、ナーゲルスマン側からライプツィヒへ新しいプレースタイルを導入した部分だと言えます。では、レバークーゼン戦を元にライプツィヒの守備戦術をより具体的に分析します。, ライプツィヒは前述したようにハイプレッシングは一時的なものに留め、ゾーン2でコンパクトな5-3-2ブロックを組みます。相手のレバークーゼンは3-4-3の立ち位置を取り、後ろからのビルドアップにこだわって攻撃します。, ライプツィヒが最初に行うのは、「中央封鎖」です。3MFと2FWで相手2ボランチを隠し、3CBがマンツーマン気味に相手FWを掴む。まずは中央の3-3-2で中央からのビルドアップをさせないようにします。そして、2トップが牽制程度の強度のプレッシャーを3CBにかけ、サイドへ誘導。中央封鎖→サイド誘導に成功すれば(しなければ、はっきりとダウン)、相手がタッチライン際に位置取るWBにパスが出る。ここが「奪いどころ」です。サイドにボールがいけば全体がボールサイドにスライドして人口密度を高め、一気にパスコースを消してボールを奪いにいきます。, ライプツィヒのボールを奪う方法を理解するのに重要になるのは「アーチ型」という言葉です。上図に赤線で示したように、サイドに誘導するとタッチラインの助けも借りてアーチのような形で四方を塞ぎ、相手のパスコースを消してサイドに閉じ込めます。以下、レバークーゼン戦でのアーチ型プレッシングです。, ↑の全てが実行されれば、上図に示したようにアーチの形を描いてサイドに相手を閉じ込めることが出来ているのが分かっていただけると思います。また、意外と大事なのは逆サイドのIHやWBも徹底して絞っていることです。逆サイドの選手はマークを持っているわけではありませんが、かといってスライドをサボるとボールに近い選手が自信を持ってスライドできなくなり、奪いにいけなくなります。なぜなら、保険が効かず、精神的に大胆なスライドがしにくくなるからです。逆サイドの選手がスライドをサボっていたとしたら、仮にボールサイドのアーチ型プレッシングが突破されると中央にスペースが空くのでごまかしが効かなくなるのです。突破されたら即失点、というような状況で大胆なスライドをして奪いに行けるでしょうか?反対に逆サイドがきちんと絞っていたら、突破されても中央のスペースは埋めれており、相手の攻撃を遅らせてもう一度ブロックを組み直すことが可能です。だから、逆サイドがきちんと絞って保険が効く状況を作り、「背中を押す」ことが大事なのです。これらがライプツィヒの守備のコンセプトになります。, 3章に書いたアーチ型プレッシングでボールを奪うことができれば、カウンターアタックを狙います。始めからボールポゼッションを確立させる方向へプレーすることはなく、狙うのは必ずカウンターアタックです。シックが起点となり、ヴェルナーが背後へ。逆サイドのIHがスプリントして逆サイドへ展開する選択肢を作ります。, 守備の弱点を挙げるならば「DFがフィジカルに依存する傾向がある」ことです。ムキエレ、クロスターマン、ウパメカノなどフィジカル能力に長けた「デカい・強い・速い」DFが揃っており、その優位性は裏のスペースを狙ったパスへの対応などに大きく貢献しています。しかし、その反面プレーが軽くなってしまうことがあるのも事実です。もう少し慎重なプレーをしていれば防げたであろうピンチが多くあり、細かさに欠ける側面があるのです。レバークーゼン戦でも、後半の途中からハーベルツがどんどん裏を狙ってくるようになると管理(立ち位置の微調整、マークの受け渡し)がうまくできず、何度もスルーパスを通されていました。そのため、相手からすると「DFの軽さ」は十分に狙い所になるポイントであり、CLベスト8で対戦するアトレティコが狙ってくる可能性もあります。ただ、失点数はブンデスリーガの中で2番目に少ない37失点であり、安定した守備であることは間違いありません。, 最後に、CLベスト8アトレティコマドリー戦の展望を少し。アトレティコは、恐らくおなじみの4-4-2で、おなじみのやり方で来るでしょう。ライプツィヒは、エース・ヴェルナーが抜けてファンヒチャンが入ったこと、まとまった準備期間があったこと(これはアトレティコも同様のはずです)、そして何より監督がナーゲルスマンであることから、奇策を打ってくる可能性も十分あると見ています。相手のスカウティングが難しいのは、間違いなくアトレティコの方です。試合展開の予想は恐らく簡単で、ライプツィヒがボールを持ち、アトレティコがブロックを構える展開になると思います。ライプツィヒからすると、相手に先制されると一気に難しい試合になるので、自分たちから前に出過ぎない、相手を前に出させることが攻守において重要になるかなと。そのためには焦らず我慢することが必要になります。ナーゲルスマン監督がアトレティコをどう分析し、どこに狙い所があると見るのか。そして、シメオネ監督はどのようにナーゲルスマン監督の策に対抗するのか。両監督の戦術的駆け引きも大きな注目ポイントです。, 最後にもう一度書かせていただきます。もしこの記事を気に入っていただけたら、SNSなどでの拡散をぜひよろしくお願い致します。皆さんで日本サッカー界をもっと盛り上げ、レベルアップさせましょう!, ナーゲルスマン一年目・RBライプツィヒの戦術分析~勝負を仕掛けるのはスタートラインを揃えてから~, 日本サッカーがレベルアップするためには、深い視点を持つ人が重要、と考え、深い視点を持つための手助けに少しでもなれれば、という思いを持つサッカー監督を目指す14歳の僕が、noteにサッカーの分析を書いていきます。Twitterあります。, 戦術的駆け引きが繰り返された首位攻防戦~ガンバ大阪対川崎フロンターレ 分析~[2020 J1]. RBライプツィヒのユリアン・ナーゲルスマン監督は、チャンピオンズリーグ(CL)で内容に見合う結果が得られなかったことを嘆いている。クラブ公式サイトが伝えた。 ライプツィヒは24日、CLグループH第4節において、パリ・サンジェルマン(PSG)と対戦。 ライプツィヒ指揮官、イスタンブールBBSK戦に自信「3ポイントを取れると確信している」 RBライプツィヒのユリアン・ナーゲルスマン監督が、イスタンブール・バシャクシェヒル戦に向けて自信を覗かせている。クラブ公式サイトが伝えた。 ライプツィヒのユリアン・ナーゲルスマン監督が24日のパリ・サンジェルマン戦後にコメントした。同日、クラブ公式HPがコメントを掲載している しかし、ライプツィヒの対応も素晴らしいので 中々ゴールまでとはいきません が非常に勉強になるビルドアップでした。 まとめ ホッフェンハイム時から注目していたナーゲルスマン監督。 ナーゲルスマン監督がアトレティコをどう分析し、どこに狙い所があると見るのか。そして、シメオネ監督はどのようにナーゲルスマン監督の策に対抗するのか。両監督の戦術的駆け引きも大きな注目ポイントです。終章 総括 第1章 RBライプツィヒのユリアン・ナーゲルスマン監督が、パリ・サンジェルマン(PSG)との大一番を前に意気込みを語っている。クラブ公式サイトが伝えた ドイツの誇る名将ラルフ・ラングニック。彼の率いるRBライプツィヒは、18/19シーズン、ブンデスリーガでの失点数がわずかに29。バイエルンの失点数をも3下回る、驚異的な数字だ。, このチームの特徴はセットした状態の守備、そしてそこからボールを奪取し速攻に移る局面にある。ハーゼンヒュットルが率いていた頃はプレッシングに途轍もない勢いがあった反面、状況に応じた守備を行えずに暴走することもあった。しかしラングニックに変わり、その勢いはやや落ち着き、代わりに局面に応じた守備を使いこなせるようになっている。, 来季からはホッフェンハイムのユリアン・ナーゲルスマンが指揮を執ることが決まっており、これまで最前線でチームを支えたティモ・ヴェルナーも退団が濃厚だ。大きな変化が訪れる前に、4-2-2-2の教科書としてこのチームの機能美に触れておきたい。, RBライプツィヒは今季5バックを取り入れる試合も見られたが、基本布陣は4-2-2-2。, CBにはフィジカル能力に長けたフランス期待の若手ウパメカノとコナテ、安定感のあるオルバン。SBはドイツ代表クラスのハルステンベルクとクロスターマン。CHには献身的に動けるライマー、カンプル、デンメが配される。2列目にはテクニックのあるフォルスベリとサビツァー。2トップにはスピードのヴェルナーと万能型のポウルセンが置かれ、この二人でチーム総得点の半数を稼いでいる。, RBL所属、19歳のフランス人CBイブラヒマ・コナテ。独特のリズムで運べる面白い選手。, これが「面」型。FW-MFのライン間を埋めるために、FW-SH(IH)間のカバーポジションの意識を高めた形。MFのラインとFWのライン、線と線を繋いで面に。ピッチ中央に侵入不可の巨大な柱を立てるイメージ。「前進させない」というより「中を使わせない」。焦れて中で来たら、ショートカウンターに。 pic.twitter.com/TjactEbrPr, RBLのセット守備は特徴的な4-2-2-2だ。アトレティコ・マドリードのようにフラットな4-4-2の3ラインではなく、SHが前進して「DFライン+六角形」の陣を形成する。, RBL次期監督となるホッフェンハイムのナーゲルスマンもシステムこそ違うが似た守備戦術をとっている。このメリットはFWとMFのライン間を使わせないという点にある。, 4-4-2を採用するチームにとって、FWとMFのライン間に位置する「アンカーケアの方法」は永遠のテーマである。CHが前進して見るか、FWが下がってケアするか。特に2トップの脇から入れられる横パスは対応が難しい。これに対してRBLはSHをハーフスペースまで絞らせたうえで前進させ、FWとの距離を短くした。こうすることで配置としては六角形となるため、FWとMFのライン間という概念は薄れる。「DF・MF・FWの3本線(=ライン)」ではなく「1本の線(DFライン)と1つの面(六角形)」になるからだ。縦だけでなく横の間隔も狭まるためCBからの楔の縦パスも逃さずに引っ掛けられるのだ。, 各頂点に立つ選手はホルダーに寄せる際、六角形内部にパスを通されないように寄せる。隣り合う頂点の選手はそれをサポートするように絞り、斜め後ろをカバーする。こうすることでピッチ中央は経由されない、くり貫かれたエリアと化す。, ピッチ中央にくり貫かれたエリアを作る事で、敵の攻撃に「中央経由」の選択肢が無くなるため、右から受けるか左から受けるかの判断がつきやすくなる。攻撃を受けるサイドが決まったら中盤の選手はボール奪取モードに移行。2トップはカバーシャドウで限定をかけつつカウンターの準備を行う。, 2トップはSHと協力しカバーシャドウでアンカーを消すため、低い位置取りをする必要もなくなり、カウンターに転じやすくなる。, サイドに誘導した際ボールサイドに近い方のFWは、アンカーへのパスコースを絞りつつ、CBにも対応できるような位置をとる。ボールを奪ったら彼はサイドに流れるかハーフスペースでボールを受ける。, 一方でボールサイドから遠い方のFWは逆サイドへの展開を抑制するため、逆CB、SBにカバーシャドウをかけるような高く張った位置をとる。スライドして距離間を狭めれば良いというわけではないのだ。この間に彼は速攻に転じた場合に陥れるべきスペースを探る。敵のビルドアップの型に応じてできるスペースだ。奪ったらそのスペースにいち早く飛び込むのが彼の役目である。, また、SBがCBにバックパスをした場合、逆サイドの展開を許すと全体のスライド幅が大きくなってしまう。そのため、カバーシャドウをかけつつ押し戻すのも遠いサイドのFWの役目だ。, ユスフ・ポウルセン。プレーエリアが広く、至る所で空中戦を仕掛けては収める万能型のFW。守備能力も高いRBLのキープレイヤー。, ポウルセンはスピードもパワーもあるため、どちらの役目も容易にこなす。ハイボールを収める力は今やRBLの大きな武器となっており、遅攻・速攻の両方で活かされている。プレーエリアが広く、CBではなくCHやSBとの空中戦に持っていくことが可能であり、そうなった時の彼は無類の強さを発揮する。, ヴェルナーは空いたスペースを把握し侵入するのが抜群に上手い。スピードだけではなく守備とスペース認識能力を速攻に活かしている。, ライン間で一時的に収めるプレーも可能であるため、両選手共に二役こなすことができるのだ。, 六角形内部の狭いエリアを狙ったパスは、引っ掛けてカウンターに移る絶好機となる。守備時の選手間の距離が狭いため、速攻に移行する際も狭い距離間を保ったまま最短ルートで前進できるのだ。, RBLの速攻が、速く、効果的なのは、①ボールに近いサイドのFWがボールサイドで収める②ボールから遠いサイドの選手が守備段階から狙うべきスペースを探索している③六角形の狭い距離間を維持して速攻に移れるという3点が要因となっている。, このシステムは六角形を形成することでピッチ中央をくり貫いている。六角形形成のポイントとなっているのが、通常より前進しているSHであるため、SH-CH-SBの間の空間も通常より広くなっている。このエリアでボールを持たれた場合、高い位置にいるSHのサポートがなくなるため、SBは一人で対応しなければならないのだ。攻撃側としてはここに複数の選手を送り込み数的優位を作る、もしくは圧倒的な個人能力を持つ選手を置く等して攻略したいところ。, このエリアにパスを供給するためにはどうしたら良いか?それが「CHとSHの間を射抜く」である。ではどうしたら良いか?, まず考えられるのが前提条件の破壊だ。くり貫かれた中央を使う。六角形は一人でも配置を破れば瓦解する。FWが位置につく前に、または一瞬休んだ隙に、リターン前提でも良いからあえてアンカーを使う。, 前述のとおりCBの位置から楔のパスは打ち込みにくくなっているが、アンカーの位置からだと非常に展開しやすくなっているのがこの六角形の悪い意味での特徴だ。SH-CHの間はまさに開放状態となる。アンカーを消すという前提条件の破壊は大きなポイントであるのだ。, 次に、SHを外にずらしたうえでの局所的優位作りだ。DFラインでのパス回しの最中、SBに渡る際にSHのスライドが弱ければ六角形の外周からWGやIHにボールを送り込まれてしまう。SBに時間を与えてしまえば、運ばれて数的優位を作られ、WGにも駆け引きの時間を与えてしまう事になる。, 逆にSHのみが急いだ単騎のスライドとなってしまうと、ハーフスペースを降りてきたIHを捕まえるのが難しくなり、SH-CH間へのパスが通りやすくなる。 これらはRBL攻略法として見られたパターンである。SH周りをサポートするのは2トップの仕事であり、RBLの2トップにはそういった能力が求められている。, MFとFWの関係を「ライン」ではなく六角形や五角形といった「面」にするチームは稀に見られる。2018ロシアW杯の頃の日本代表(パラグアイ戦)においても、乾貴士が出場する試合は似たような形をとる場面が見られた。, RBライプツィヒはこの六角形守備だけでなく、そこから速攻に展開する筋道もクリアになっている。そこまでに至るチームというのは滅多になく、非常に完成度の高いチームといえる。, 来季は指揮官交代に伴いこの守備は見られなくなってしまうかもしれない。だからこそ今、4-2-2-2守備の教科書とも言えるこの若いチームを取り上げた。今後のRBライプツィヒがさらに魅力的なサッカーを展開してくれることに期待したい。, […] ラングニック監督のRBライプツィヒは、SHが高めの位置を取り六角形を形成し、FWのラインとMFのラインというライン間の概念を薄れさせる。 […]. 19-20シーズンからRBライプツィヒで指揮を執ることが決定しているユリアン・ナーゲルスマン。最年少という「年齢」で大... こんにちは。Twitterでブログ開設のお知らせをしたところ想像を超えるレスポンスをいただき、嬉しさのあまり柄にもなく... プレー分析第3弾、フットボリスタさんにRBライプツィヒ所属ドイツ人ストライカー、ティモ・ヴェルナーの分析記事を寄稿しま... 普段あまりJリーグを見ることができていない筆者だが、久しぶりに観てみようかな!と気まぐれにも思ったの... ロベルト・デ・ゼルビ率いるサッスオーロが好調だ。 ナーゲルスマン監督が自身のキャリアについて語る ライプツィヒのナーゲルスマン監督が、スペイン『マルカ』紙のインタビューに応じ、自身のキャリアについて語っている。ナーゲルスマン監督のコメント ― 28歳という若さでブンデスリーガ史上最年少監督になった経緯は? 戦術の高みへ【ユリアン・ナーゲルスマン】 | 浅男ぉー!!〜スポーツを浅〜く語ります 浅男ぉー!!〜スポーツを浅〜く語ります〜 スポーツを浅く広く楽しみます。浅男です。AKI猪瀬2世を目指しています! ナーゲルスマンがブンデスリーガの舞台を初めて経験したのは、2012年12月まで遡る。ホッフェンハイムでマルクス・バッベル監督が更迭された後、そのシーズンの終了まで3人の監督のアシスタントを務めたのだ。 19-20シーズンからRBライプツィヒで指揮を執ることが決定しているユリアン・ナーゲルスマン。最年少という「年齢」で大きな注目を集めた彼も、わずか数年でその「戦術」にフォーカスされる名将へと成長した。ホッフェンハイムの残留、そしてCL出場と その大きなポイントになったのは、ナーゲルスマン監督が仕掛けた対アトレティコの戦術だろう。守備時には4-2-3-1の形になるのだが、攻撃時には左SBのアンヘリーノが上がり、カンプルがアンカーに下がった3-1-5-1という形に変化していた。 RBライプツィヒのユリアン・ナーゲルスマン監督が、パリ・サンジェルマン(PSG)との大一番を前に意気込みを語っている。クラブ公式サイトが伝えた。 ライプツィヒは24日に行われるチャンピオンズリーグ(CL)グループH第4節で、PSGと対戦。 RBライプツィヒは今季5バックを取り入れる試合も見られたが、基本布陣は4-2-2-2。 CBにはフィジカル能力に長けたフランス期待の若手ウパメカノとコナテ、安定感のあるオルバン。SBはドイツ代表クラスのハルステンベルクとクロスターマン。CHには献身的に動けるライマー、カンプル、デンメが配される。2列目にはテクニックのあるフォルスベリとサビツァー。2トップにはスピードのヴェルナーと万能型のポウルセンが置か … 劇的勝利のライプツィヒ、ナーゲルスマン「試合を不必要に盛り上げてしまった」(超ワールドサッカー)RBライプツィヒのユリアン・ナーゲルスマン監督が激戦を制して満足感を示した。クラブ公式サイトが伝えている。 ライプツィヒは2… ユリアン・ナーゲルスマン(ドイツ語: Julian Nagelsmann、1987年7月23日 - )は、ドイツ・ランツベルク・アム・レヒ出身の元サッカー選手、現サッカー指導者。ブンデスリーガのRBライプツィヒの現監督。 今回はブンデスリーガ・RBライプツィヒについてご紹介します。 クラブとしては歴史の浅いライプツィヒですが、その躍進を語る上で監督の存在は外せません! ユリアン・ナーゲルスマン(Julian Nagelsmann) 生年月日:1987年7月23日(32歳) 所属:RBライプツィヒ 国籍:ドイツ 複数のシステムを使い分ける若き知将 ホッフェンハイムを初のCL出場に導いた若き戦術家。 ベースは3-4-1-2だが開幕戦ウニオン・ベルリン戦は3-4-3、第3節ボルシアMG戦では4-4-2を … 同大会で最も長けた戦術家の一人だったディエゴ・シメオネ(Diego Simeone)監督を敗退に追いやったことで、さらに株を上げるであろうユリアン・ナーゲルスマン(Julian Nagelsmann)監督にとっても、4強入りという結果は新たな名誉となる。 「ナーゲルスマン監督の変幻自在も、PSGのタレントに返り討ち」UEFAチャンピオンズリーグ 準決勝 ライプツィヒ-パリ・サンジェルマン 今期のチャンピオンズリーグは準々決勝からポルトガル・リスボンでのセントラル開催の一発勝負。 認知を鍛えるトレーニングの最前線は、ナーゲルスマンのホッフェンハイムだろう。定評がある高度な戦術トレーニングに加えて、「SAP」社が導入しているフットボーナウトやヘリックスなどの最新テクノロジーまで完備しているからだ。そこで昨年、同業者としてナーゲルスマンのサマーキャンプを視察した元SVホルン監督の濱吉正則氏に、ナーゲルスマンの事例を基に認知の観点からトレーニングの意図や背景を解説してもらった。 新時代を切り拓く戦術家 新時代を切り拓く戦術家として、真っ先に名前が挙がる男ユリアン・ナーゲルスマン。RBライプツィヒを率いて2シーズン目の青年指揮官が描くチーム進化の青写真とは。 Julian NAGELSMANNユリアン・ナーゲルスマン生年月日:1987.7.23(33歳)国 籍:ドイツ監督デ … ... 2回にわたり紹介したガスペリーニ・アタランタの5-2-1-2守備戦術。今回は23節終了時点まででセリ... 偽サイドバックをはじめ、様々なアイデアを落とし込みピッチで表現させてみせるペップ・グアルディオラ。... 【コパ・アメリカ】日本代表が陥った「4-4-2のジレンマ」と修正策とは?-戦術分析, 【コパ・アメリカ】日本代表が陥った「4-4-2のジレンマ」と修正策とは?-戦術分析 │ サッカー戦術分析ブログ〜鳥の眼〜, 【FIFA20】プロクラブチーム発足&強者募集のお知らせ | サッカー戦術分析ブログ〜鳥の眼〜. 7試合を終えて15pt(セリエA2位)、得... 前回はCLベスト4進出と大躍進を見せたテンハーグ・アヤックスの4-2-3-1守備戦術についてフォー... 【宣伝】フットボリスタ11月号に記事を寄稿しました!マンチェスター・シティの戦術分析です!